
大衆点評運用で成果を出す方法 | KOLからKPIまで徹底解説
公開日:2025年7月29日
更新日:2025年7月29日
「インバウンド需要が戻りつつある今、中国ユーザーをどう取り込むか?」
その最短ルートが中国最大のライフスタイルアプリ大衆点評(Dianping)です。中国版食べログともいわれたりしますが、飲食店のみならず幅広いジャンルで利用されている中国最大の口コミサービスです。
本記事では、実際に運用代行で年間200件以上の店舗を支援してきたノウハウを0日目から6か月後まで時系列で完全公開。
SNS 担当者の皆さまが今日から使えるよう、チェックリスト・KPI・ツール・契約書の注意点まで網羅しました。
なぜ今「大衆点評」が必須なのか
1. 中国ユーザーの購買行動は“点評→即予約”が主流
中国国内調査会社 iResearch の2024年レポートでは、都市部20〜40代の85.6%が「飲食・美容サービスを選ぶ最終決定で大衆点評を使用」と回答。日本のGoogle マップ以上の影響力を持つため、点評上位 = 売上が直接増えると捉えてください。
2. インバウンド回復で競合も加速度的に参入
日本政府観光局(JNTO 2024/01 訪日外客統計)によれば、2024年12月の訪日中国人数はコロナ前比62%まで回復。競合店は続々と点評に出店し、“レビュー戦争”が激化しています。
3. KPIドリブンで始めればリスクは限定的
店舗型ビジネスでは、レビュー数1,000件・星平均4.5を超えると自然検索経由の来店が急増します。本記事後半で紹介するPDCAを回せば、広告費を抑えつつ半年で十分達成可能です。
0日目〜3か月 基本運用フローを完全公開
0⃣ 事前準備(−2〜0日)
- 書類準備:登記簿/代表者パスポート/店内外写真5枚以上をPDF1本化
- 市場調査:キーワード上位20店の価格帯・星平均をスプレッドシートなどでまとめる
- 翻訳資産:機械翻訳→ネイティブ監修/誇大表現はNGなので、NGワードリストを作成
1⃣ アカウント開設・店舗認証(1〜7日)
商家中心で「免费入驻」を選択し、必要書類をアップロード。審査は通常3〜5営業日です。
解説には日本の登記書類などが必要になります。弊社ではアカウント開設のサポートも行っております。
店舗情報最適化5ポイント
- 店舗名は中国語+英語+日本語で検索漏れゼロに
- サブタイトルにUSP(独自の価値)+エリア(例:24小时营业|新宿本店)
- 400字以上の詳細説明でキーワードを3回以上配置
- 営業時間はJST(日本時間)明記で現地ユーザーの混乱を防止
- 写真は20枚ルール:外観/メニュー/導線/人物入りをバランス良く配置
2⃣ 星評価&口コミ増強(8〜60日)
アルゴリズム5大評価軸
- レビュー数 × 星平均(35%)
- 写真付き率(15%)
- 返信速度(10%)
- キーワード一致度(25%)
- ユーザー属性多様性(15%)
会計時、QRコードPOPで1日10レビュー×30日=300レビューを狙うのも効果的です。また悪い口コミに対する対応テンプレも用意し、“48時間以内返信”を厳守しましょう。
3⃣ ビジュアル×多言語メニュー(30〜90日)
中国ユーザーは食材の接写写真+箸上げ写真に高反応します。美容系ならBefore▶Afterを横並び1枚でアップします。
メニュー翻訳3ステップ
- 機械翻訳で下訳
- 中国人スタッフがローカライズ(例:「かき氷」→「日式绵绵冰」)
- アレルゲン28品目をアイコン化し安全性を訴求
3か月〜6か月 加速フェーズで競合を突き放す
4⃣ クーポン&広告 A/B テスト(60〜120日)
初期は到店即使用型クーポンがCVR12〜18%と最も効果的。割引率・写真有無・文言を変え、週単位でテスト→勝ちパターンだけ残します。
広告ROASの合格ライン
例)広告費10万円→来店300→客単価2,500円→売上75万円でROAS750%が目安。
これを下回ったら入札額 or クリエイティブを見直していく。
5⃣ KOL/美食達人連携(90〜180日)
インフルエンサー階層と相場
- 美食達人(6〜30万フォロワー):CPM 200〜400元
- 必吃榜推荐官(30〜100万):CPM 600〜1,000元
- 明星博主(100万超):要相談
*1元:20円程度(2025年7月時点)
直近10投稿の平均閲覧数がフォロワー×20%以上あるかを必ず確認。契約書には“先審後播”条項+「広告」タグ挿入義務を明記しステルスマーケティングのリスクを回避します。
6⃣ KPI モニタリングと改善ループ
週次で見る5指標
- 新規レビュー数
- 星平均
- クーポンCVR
- 広告ROAS
- 店舗検索順位
6か月後の到達ベンチマークと成功3ポイント
到達すべき数値目標
- レビュー5,00~1,000件(写真付き60%以上)
- 星平均4.5以上
- 主要キーワードTOP3入り
- 来店数+200%
- 広告ROAS500%以上
成功へ導く3つのポイント
- アルゴリズム理解×口コミ収集を二輪駆動で回す
- ビジュアル&多言語UIで可処分時間を奪う
- KOLと広告をABテストし“科学的”に最適化
これらを自社だけで運用する場合、書類準備からクリエイティブ制作、KOL折衝、データ解析まで平均月150時間のリソースが必要になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. KOLではなくKOCでも効果はありますか?
A. はい。レビュー量が不足している初期フェーズでは、フォロワー数1万未満のKOCを10〜20名束ね、一斉投稿でレビューを“面”で増やす方が費用対効果に優れます。
Q2. TikTokとの違いは?
A. TikTokは動画起点のブランディング向き、一方大衆点評は“今から行く店を探す”決済直前ユーザーが集まるため、CVに直結しやすいのが最大の違いです。
Q3. 店舗以外(ECやBtoBサービス)でも活用できますか?
A. 現状の大衆点評は飲食・美容・観光体験など“リアル接点”前提のカテゴリが中心です。無形商材なら小紅書(RED)の方が適合するケースも多くいです。
REDNOTEに関してはこちら
https://backboys.jp/rednote/
出典:iResearch《2024中国生活服务平台报告》、日本政府観光局JNTO「訪日外客統計(2024年1月)」
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Written by : Nakamura
backboys Founder。10年以上インフルエンサー・マーケティングに従事してきたスペシャリスト。 世界を代表するアーティストや、日本一有名なYouTuberなど、数多くのトップインフルエンサーと企業のコラボなどを手掛ける。
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