【小紅書(REDNOTE)】2026年トレンド予測:市場動向と機能開発の方向性から活用シーンを予測。

公開日:2025年11月13日

更新日:2025年11月13日

2026年に向けて、小紅書(REDNOTE)は「検索起点の購買行動」「ローカル×ECの接続」「信頼UGCの深掘り」を軸に進化が続くと見込まれます。本記事では、公開情報に基づく市場動向とREDNOTEのプロダクトの方向性から、企業がいま着手すべき打ち手と体制を実務レベルで整理。KOL/KOC、動画・ライブ、到店/到家、検索広告、計測・法務ガバナンスまで、担当者の後押しします。

目次

  1. いま小紅書(REDNOTE)を検討すべき理由
  2. 現状のプラットフォーム概況とベースライン(2024→2025)
  3. 2026年プラットフォーム進化の10トレンド予測
  4. 期待できる活用シーン別ロードマップ
  5. KPI設計と計測基盤:検索・保存・到店をつなぐ
  6. 今から整えるべき体制とオペレーション
  7. KOL/KOC戦略:選定・契約・運用のベストプラクティス
  8. TikTok等との住み分けとクロスチャネル設計
  9. 法規制・ブランドセーフティとよくある失敗
  10. 90/180日アクションプラン(雛形つき)
  11. FAQ
  12. 参考・出典(一次情報リンク)

1. いま小紅書(REDNOTE)を検討すべき理由

小紅書(REDNOTE)は、発見・比較・保存・共有を兼ねる「生活者の意思決定プラットフォーム」です。中国本土ユーザーはもちろん、越境ECや旅行・留学層、在外華人コミュニティにも影響力を持ちます。
特に企業にとって重要なのは、単なるエンタメ消費ではなく、課題解決や購買直前の検索行動が強いこと。検索結果や関連ノートが数時間〜数日で意思決定に直結しやすいため、販促効率と回遊の質を同時に高められます。

小紅書が得意な領域

  • ローカル体験:飲食、美容、医療、教育、住まい、留学、就職など
  • ショッピング:コスメ、ファッション、家電、小物、ガジェット、日用品
  • ライフイベント:旅行、結婚・出産、引越し、資格、金融サービス

2. 現状のプラットフォーム概況とベースライン(2024→2025)

本節は、公開一次情報・公的統計を参照した「現状確認」です。以降の予測はこのベースラインから考えています。

2-1. ユーザー動向と検索行動

  • 中国のインターネット利用は高水準で安定推移。モバイル中心、SNS・ショート動画・生活情報検索が定着出典:CNNIC
  • 小紅書は「購入前に検索・保存」する行動が強く、レビュー・比較・体験記のUGCが意思決定に寄与(プラットフォーム公式・各種調査より)。

2-2. 機能の大枠(2024→2025)

  • 検索精度の継続的向上と、タグ・位置情報・関連ノートの紐づけ強化
  • 企業アカウント(商家/企業号)と広告ソリューションの拡充、EC連携の段階的強化
  • 動画・ライブ配信の強化、写真/長文ノートとのハイブリッド
  • ローカル(到店/到家・地図/POI)関連のユースケース拡大

参考:Xiaohongshu Business(公式)


ここからは、現行機能と市場環境を踏まえた2026年の予測です。

トレンド1|検索主導の「意図別SEO」が標準化

小紅書(REDNOTE)内の検索は、購入直前の「○○ 比較」「○○ 口コミ」「○○ 予約」の比率が高い傾向にあります。2026年は、意図別のノート設計(情報深度・比較軸・価格/所要/予約導線)が標準に。ノート単位の「保存率」「完読率」がランキング・露出により強く反映されると見ます。

トレンド2|ローカル×予約・団体購入の深化

地図/POI・位置情報・到店クーポン・予約/在庫連携といった「本地生活」系は拡張の余地が大きい領域。飲食/美容/医療/教育の到店予約〜核销(利用確認)までの体験がよりシームレスに。店舗は「プロフィール最適化+ノート→予約→来店→UGC再生産」の循環設計が重要になってきます。

トレンド3|コミュニティECの整備(店・商品カード、レビュー統合)

「ノート→商品カード→購入」や「店ページ→ノート/ライブ→購入/予約」の導線整理が進む見込み。レビューの信頼性・透明性を高める設計(広告表記の明確化、評価指標の多面化)も合わせて進展が期待されます。

トレンド4|動画・ライブの「情報密度×信頼性」競争

短尺エンタメ一辺倒ではなく、How-to・比較・プロセス開示など「役に立つ」動画が主戦場に。ライブはローカル/専門領域(医療・美容・教育・不動産)で「予約・相談」への接続が鍵。

トレンド5|KOC主導の“信頼拡散”とKOLの専門特化

KOC(購入・体験に基づく小規模発信者)を多数活用し、KOLは“象徴・専門性”に集中。量(KOC)×質(KOL)のハイブリッド運用が既定路線に。

トレンド6|AI支援(AIGC・字幕・タグ・要約)の実務活用

自動字幕・タグ推薦・要約、企画補助など、制作効率化×検索適合が同時に進む見込み。編集ガイドライン(語彙、比較軸、禁止表現)をAIに組み込む運用が一般化します。

トレンド7|安全・コンプライアンスの運用高度化

広告表示ルール、医療/美容表現の厳格化、未承認効能の禁止などが継続。審査の事前化と運用ログの整備が必須に出典:国家市場監督管理総局出典:国家インターネット情報弁公室

トレンド8|広告の“検索連動”・“高意図枠”の強化

情報流(フィード)だけでなく、検索連動・意図別枠の整備が進行。高意図クエリでの露出最適化(キーワード設計・品質指標)が成果の分水嶺に。

トレンド9|カテゴリ拡張:金融/教育/就職/住まいの情報最適化

「生活の意思決定」周辺で、金融商品、留学・就職、住宅・引越し等の情報整備が進むと想定。比較・手数料・リスク説明など開示要件の厳格化に留意。

トレンド10|グローバル文脈との接続(旅行・越境EC)

訪日/海外旅行の回復と越境ECの活況により、「旅マエ検索→現地体験→UGC→再訪/越境購入」の循環が一般化。多言語サマリーや外国人対応表記の整備が進むと見ます。


4. 期待できる活用シーン別ロードマップ

4-1. 飲食・ローカル小売

  • 勝ち筋:検索×地図×予約×UGC循環。メニュー/価格/所要時間/支払いを可視化。
  • 運用:平日ランチ/季節限定などのニッチタグで長尾流入を確保。
  • KPI:保存率、予約フォーム遷移、来店後UGC件数(核销率)。

4-2. 美容・医療

  • 勝ち筋:症例・工程・費用・リスクの開示で信頼獲得。
  • 運用:ライブ相談、医師監修Q&A、アフターケア解説。
  • コンプライアンス:効能断定の禁止、広告標識の明記、資格・許可番号の表示。

4-3. 教育・資格・就職

  • 勝ち筋:カリキュラム比較・費用・合格実績の透明化。
  • 運用:在校生/卒業生KOCの体験ノート量産、説明会ライブ。

4-4. 住まい・不動産・引越し

  • 勝ち筋:エリア比較、初期費用一覧、契約の流れを可視化。
  • 運用:内見実況、家具配置、トラブル回避術などのハウツー。

4-5. 旅行・観光・体験

  • 勝ち筋:旅マエ検索→現地体験→再訪/越境ECの循環を設計。
  • 運用:季節・人混み回避・費用のリアル提示、地図/動線を明確に。

5. KPI設計と計測基盤:検索・保存・到店をつなぐ

 

小紅書は「発見→比較→保存→相談/予約→来店/購入→UGC再生産」という循環が特徴。KPIは保存と行動の両輪で設計します。

5-1. 指標ツリー(例)

  • 認知:表示回数、ユニークリーチ、検索流入比率
  • 検討:保存率(收藏率)、完読率、コメント率、プロフ遷移率
  • 行動:DM数、予約フォーム遷移、クーポン利用、核销率(来店確認)
  • 収益:CPA、客単価、ROAS/LTV

5-2. トラッキングの実務

  • UTM付URL、固定コメントのクーポンコード、電話タップ計測
  • 来店時アンケートに「小紅書」を明示(選択式)
  • 週次で保存上位ノートを再編集・再掲、低反応はリライト

6. 今から整えるべき体制とオペレーション

6-1. 体制の基本形

  • 編集(中国語ネイティブ):検索語・タグ設計、見出し・本文の語彙最適化
  • 制作:9:16動画/静止画、字幕、表紙、図解テンプレ
  • KOL/KOC管理:選定・契約・進行・レビュー
  • データ/広告:検索連動・指名保護、ダッシュボード運用
  • 法務:広告表示、医療/美容等の表現審査と記録

6-2. 運用の型(週次サイクル)

  1. 検索ログ確認(伸びたタグ/沈んだタグ)
  2. ノート3~5本制作:比較/工程/価格/予約導線を明記
  3. 初動24h:コメント即応、FAQ固定、ミニ広告でブースト
  4. 週末:保存上位の焼き直し、縦長まとめノート化

6-3. クリエイティブ基準

  • 表紙に結論・利益・対象者を簡体字で明示
  • 本文に価格/工程/所要/支払い/保証/注意事項
  • 固定コメントに予約・相談導線(プラットフォーム規約に従う)

7. KOL/KOC戦略:選定・契約・運用のベストプラクティス

7-1. 配分の目安

  • KOL:専門性・象徴性。月2~4本の象徴投稿+ライブで高意図層へ。
  • KOC:体験UGCの母数。月20~100本規模で検索面に厚みを。

7-2. 選定基準(指標例)

  • 保存率3%以上、検索経由比率、地域一致、過去の広告表記の適正
  • 否定的レビューへの対応品質(誠実な修正・訂正)

7-3. 契約・運用の留意点

  • 広告表示の明確化(プラットフォーム規約・広告法順守)
  • 二次利用範囲(LP掲載・広告転用)、測定連携(UTM・クーポン)の明記
  • 比較表・工程・価格など「保存される情報密度」の基準を共有


8. TikTok等との住み分けとクロスチャネル設計

8-1. 役割分担の考え方

  • 小紅書(REDNOTE):検索・比較・保存。検討フェーズを強化。
  • TikTok(Douyin)等:拡散・初期認知。瞬発力の獲得。
  • WeChat:CRM・会員運用・決済/ミニプログラム。

クロスで追い込みたい施策は、小紅書に「比較図」「価格」「予約/購入」導線を明示し、他チャネルから回遊させるのが定石です。

8-2. クリエイティブの差分

  • TikTok用に短尺オープナーを制作し、小紅書では長尺+図解で「保存」要素を追加。
  • 同じ素材でも表紙・字幕・タグは小紅書仕様に作り直す。

9. 法規制・ブランドセーフティとよくある失敗

9-1. 法規・規約(例示)

9-2. よくある失敗

  • Instagramの直訳流用(検索意図・保存設計の欠落)
  • 価格・工程・所要時間・支払い情報の未記載
  • 広告表記の不備、医療/美容の表現違反
  • 短期で成果判断し、保存の蓄積を待てずに撤退

9-3. 回避策

  • 公開前の法務チェックフロー(テンプレ化)
  • 固定コメントにFAQ・予約導線・広告表記
  • 保存上位の型を月次でテンプレ化、チーム共有

 


10. FAQ

Q1. 小紅書(REDNOTE)の成果指標は何を重視すべき?

保存率・完読率・検索流入は必須。行動ではDM/予約・クーポン利用・核销率まで一貫で見ます。

Q2. KOLとKOC、どちらを優先?

土台はKOCの母数(検索面のカバレッジ)。象徴・専門はKOLで補完する二段構えが妥当です。

Q3. TikTok素材はそのまま使える?

9:16は共通でも、小紅書では表紙・字幕・タグ・固定コメントを作り直し、「比較・価格・工程」を明記してください。

Q4. 法規制はどう確認する?

医療/美容・金融は特に厳格。広告法・平台規約の一次情報を参照し、疑義は法務・運用代行に確認を。

Q5. 内製と運用代行の判断軸は?

中国語編集・法務チェック・検索広告・KOL運用まで回せるかが分岐点。初期は代行で仕組み化し、内製化移行も選択肢です。


12. まとめ:2026年は「検索×ローカル×信頼」の年

2026年の小紅書は、検索主導・ローカル予約・コミュニティECが交差し、保存される情報密度実店舗・ECへの接続が成果の決め手になります。
いま始めるなら、検索語に合わせたノート設計、KOCの仕込み、法務・計測の土台づくりが最優先。実装スピードを高めたい場合は、運用代行の活用をご検討ください。


参考・出典(一次情報リンク)

注意:上記リンクは一次情報・公的機関・公式の入り口ページです。具体的な数値・仕様は最新の原典・公式アナウンスをご確認ください。本記事の将来予測は合理的仮説であり、結果を保証するものではありません。

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Written by : Nakamura

backboys Founder。10年以上インフルエンサー・マーケティングに従事してきたスペシャリスト。 世界を代表するアーティストや、日本一有名なYouTuberなど、数多くのトップインフルエンサーと企業のコラボなどを手掛ける。