
小紅書(REDNOTE)でバズる動画の作り方|中国ユーザーを動かす11の必勝TIPS
公開日:2025年6月25日
更新日:2025年6月27日
「中国市場に動画を投下したいけれど、TikTokと同じ感覚では通用しないのでは?」
そんな疑問を抱える日本企業のSNS担当者へ向け、本記事では小紅書(REDNOTE)で“バズる”動画を生み出すための具体的な方法論を網羅します。
小紅書独自のアルゴリズム解析から、中国ユーザーの「共感スイッチ」を押すストーリーテリング技法、撮影・編集・KOL連携、そして運用代行の活用指針まで、徹底解説。「明日アップする動画の絵コンテ」が描ける状態を目指します。
目次
- なぜ“小紅書動画”が今ブレイクしているのか
- アルゴリズムの仕組みと拡散メカニズム
- 中国ユーザーが刺さる7大トレンドフォーマット
- 企画段階で差が付く3つの戦略思考
- 撮影・編集11の必勝TIPS
- 投稿後24時間のブースト術
- KOL/KOCとの協業設計
- 効果測定と継続グロースの指標設計
- 内製 vs 運用代行の意思決定
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. なぜ“小紅書動画”が今ブレイクしているのか
1-1. 「検索ではなく発見」が購買を動かす時代
中国調査機関艾瑞咨詢(iResearch)の最新レポートによると、Z世代のEC購買行動のうち64.7%が“小紅書での動画視聴”を起点に発生しています出典。
動画フォーマットの台頭により、画像中心のフィードから没入型リールへ視聴時間がシフト。2024年末には小紅書全体再生数の55%が動画に置き換わりました。
1-2. 日本ブランドにこそ追い風が吹く3つの理由
- 工夫の細部が「動画映え」
職人技や素材選定など、日本企業が持つ“こだわり”は、短尺動画でストーリー化しやすい。 - 越境ECリンクが動画内でタップ可能に
2024年12月のアップデートでリール内CTAが解禁され、購入導線が1クリック短縮。 - アルゴリズムが新規参入者を優遇
企業アカウントでも“初期30投稿”は露出が優遇される「Newbie Boost」が働く。
2. アルゴリズムの仕組みと拡散メカニズム
2-1. 分散テスト → 段階拡散のフロー
小紅書の動画は、公開直後に第一検証Pool(約300~500人)へ配信され、
初期エンゲージメント率ER (%) = (いいね数 + コメント数 + 保存数) ÷ 初期視聴数 × 100
が一定ラインを超えると次のPoolへ拡散される仕組みです。感覚値としては初期ER7%が合格ライン。
TikTokとの違いは「保存数」に重みづけが大きい点で、視聴者が“あとで買う”ために保存する動きが評価されます。
2-2. スコアに影響する5つの要素
- 保存数(Collect):評価係数1.5
- コメント(Interact):評価係数1.2
- 完視聴率(VTR):評価係数1.0
- いいね(Likes):評価係数0.8
- シェア(Repost):係数は低いが二次拡散として重要
数値は公表されていませんが、複数KOLダッシュボードの相関係数から逆算した推定値です。
3. 中国ユーザーが刺さる7大トレンドフォーマット
3-1. 「開箱(カイシャン)」開封ロングリール
商品開封を0:45〜1:30で丁寧に見せるフォーマット。
ポイントは“梱包の音”をASMR的に拾い、没入感を高めること。
3-2. Before→After Vlog
スキンケア・フィットネス領域で鉄板。変化量を可視化するため、静止画比較を最後に差し込む。
3-3. 「一分間レシピ」縦型クッキング
料理完成後「小红书搜:品牌名+做法」で検索を促す字幕を入れ、UGCを誘発。
3-4. トラブルシューティングHOWTO
例:イヤホンが片耳しか聞こえない→解決まで。共感と実用性で保存数が伸びやすい。
3-5. 価格比較スプリット画面
左に競合、右に自社。テロップで「成本=◯元」と原価公開すると信頼度が跳ね上がる。
3-6. 「冷知識」ミニ講座
意外性がバズのトリガー。30秒以内で「実は日本の傘は…」と疑問提起→回答。
3-7. コラージュ“ごちゃ混ぜ”レビュー
複数ブランドを比較する企画。第三者視点で語るため広告臭が薄まりやすい。
4. 企画段階で差が付く3つの戦略思考
4-1. 「検索キーワード逆算」ストーリーマップ
小紅書の検索タブで「日本ブランド名+評測(レビュー)」「功效(効果)」など関連語を洗い出し、検索ボリューム>投稿件数が大きい“空白ワード”を狙います。
4-2. インサイトは微博(Weibo)で先取り
微博トレンドは小紅書へ1〜2週間後に波及する傾向があるため、企画ネタを早期拾い上げ可能。
4-3. ハッシュタグ設計は「メイン1+準拠3+伸びしろ2」
例:#日本护肤品(メイン) + #干皮救星 #敏感肌 #KOC测评(準拠) + #秋冬护肤 #换季保养(伸びしろ)。
タグ上限は10個ですが、CTRが下がるため6個以内がおすすめ。
5. 撮影・編集11の必勝TIPS
- 最初の3秒で「問題提起 or 驚き」 ─ 視聴継続率を決める勝負所。
- アスペクト比9:16厳守 ─ サムネも同比率でテキストを上1/3に配置。
- 字幕は簡体字+日本語 ─ 中国ユーザーへの可読性と日本ブランドらしさを両立。
- 中国人気BGMライブラリを活用 ─ Netease Cloud Musicの「抖音热歌榜」が相性◎。
- 外付けマイクで生活音を拾う ─ 包装を破る音、鉄板の「咀嚼音」がERを押し上げる。
- リングライト+自然光のハイブリッド ─ 肌質補正で信頼度アップ。
- 倍速編集で無駄を削除 ─ 1.25〜1.5倍速でテンポUP、ただしナレーションは等速。
- ブランドロゴは0:02〜0:04に極小で表示 ─ 広告感を排除。
- 最後に「收藏后再看(保存して後で見る)」を口頭で促す ─ アルゴリズム対策。
- コメント固定機能でFAQ回答 ─ 購入ハードルを下げる。
- UTM付きECリンクをプロフィールに配置 ─ クリエイティブ内に短縮QRも入れる。
6. 投稿後24時間のブースト術
6-1. 初動コメント20件を“自前”で確保
社内メンバーやテスターコミュニティで投稿直後にコメントを入れ、対話を活性化。
アルゴリズムはコメントスピードを拡散シグナルとして重視。
6-2. WeChatモーメンツと連携し二次流入
QRコードをシェアし、リンク経由視聴を増やすことでVTRが底上げされる。
6-3. 広告ブーストは「24h以内/最低100元」
自然流入ERが高い投稿だけに限定投下し、広告効率を最大化。
7. KOL/KOCとの協業設計
7-1. コラボ動画3タイプ
- デュエット型:自社×KOLの画面分割。相互フォロワー獲得が狙い。
- レビュー挿入型:KOLレビューを自社動画内に引用し第三者証言として活用。
- リレー投稿型:1本目KOL→2本目自社→3本目KOCでハッシュタグ企画を拡散。
7-2. 報酬モデルの最適解
固定+売上成果報酬のハイブリッド。美容カテゴリ平均:
費用 = 基本料(固定費: ¥80,000) + EC売上の7%(変動費)
7-3. 契約時の注意点
・二次利用範囲(微博・Bilibili)を明記
・競合排他期間は90日以内に抑える
・AIボイス・ディープフェイク利用禁止条項を追加
8. 効果測定と継続グロースの指標設計
指標 | 目安値 | 活用ポイント |
---|---|---|
完視聴率(VTR) | 50%以上 | 50%未満は冒頭3秒or尺が長すぎる可能性 |
保存率(SR) | 3%以上 | レシピ・HOWTOの情報量を上げ、保存動機を付与 |
クリックアウト率(CLR) | 1.2%以上 | QR配置やUTMタグでクリエイティブ改善 |
二次UGC発生数 | 投稿100件あたり5件以上 | ハッシュタグ&インセンティブ設計を調整 |
9. 内製 vs 運用代行の意思決定
9-1. 内製のメリットと課題
- メリット:ブランド哲学の純度を保てる/PDCAが高速
- 課題:撮影・編集・中国法規の専門知識が必要、リソース不足
9-2. 運用代行選定の3つのチェックリスト
- 現地拠点+日中バイリンガル体制
- KOLデータベース5万件以上保有
- 成果報酬モデルの柔軟性
TIP:契約前にパイロット動画を1本制作し、VTRと保存率で実力を判断するのがおすすめです。
10. よくある質問(FAQ)
Q1. 動画の最適尺は?
A. 教育系は60〜90秒、Vlog系は45秒前後が平均VTR60%以上を狙えるレンジです。
Q2. テキストだけのスライド動画は有効?
A. 保存は稼げますがVTRが下がりがち。実写+テキストのハイブリッド推奨。
Q3. 中国語ナレーションは必須?
A. 必須ではありませんが、日本語+簡体字幕が“異文化コンテンツ”として好感を得やすいです。
11. まとめ
小紅書(REDNOTE)で動画をバズらせるには、① 中国ユーザー特有のインサイト理解、② アルゴリズム適応、③ 制作・運用の地道な改善の三位一体が欠かせません。
本記事で紹介した11の必勝TIPSを活用し、保存数→拡散→購買の黄金ループを構築してください。
社内で手が足りない場合は、運用代行を活用し、テストマーケからスケールまで一気通貫で進めることが最短ルートです。
出典:iResearch『2024年Z世代購買動向報告』、QuestMobile『中国モバイル動画白書2024』ほか
※本記事は2025年6月時点の公開情報を基に執筆しています。最新の機能変更・法規制については必ず公式発表をご確認ください。
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Written by : Nakamura
backboys Founder。10年以上インフルエンサー・マーケティングに従事してきたスペシャリスト。 世界を代表するアーティストや、日本一有名なYouTuberなど、数多くのトップインフルエンサーと企業のコラボなどを手掛ける。
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